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ニース国際映画祭 最優秀外国語短編映画グランプリ、ロンドン国際映画祭 外国語長編作品部門 最優秀助演女優賞(神岡実希)ほか受賞、『漂流ポスト』東日本大震災から10年。この場所には今も亡き人への想いが届く。/ 清水健斗(監督)

“漂流ポスト”とは、「手紙を書くことで心に閉じ込められた悲しみが少しでも和らぎ、新たな一歩を踏み出す助けになるなら」という想いから、被災地である岩手県陸前高田市の山奥に建てられた郵便ポスト。

当初は東日本大震災で亡くなった人への想いを受け止める為のポストだったが、今では病気や事故など、震災に限らず亡くなってしまった最愛の人に向けた想いを手紙に綴り、届ける場所になっている。

震災から10年経った現在も多くの手紙が届き、その数は約1000通を数える。手紙は同じ境遇の人々にシェアされ、心の復興を助けている。

コメント

– 監督・脚本・編集・プロデュース:清水健斗 – 

2011年3月12日に仕事で岩手を訪れる予定でした。自分が1週間前に訪れた場所が津波に流されてしまう様子を見て他人事とは思えず、何かしたい一心から長期ボランティアに参加しました。避難所等でのふれあいを通じ被災された方の心に触れ、いろいろ考えさせられました。

年月が経ち世間では風化が問題視されはじめ、映画の力で何かできないかと考え制作したのが「漂流ポスト」です。言葉や想いを伝えることが希薄になりつつある時代、自分や相手へ向き合うことができる、手紙だからこそ日頃伝えられなかった言葉が届けられる。

その概念は奇しくも震災直後の「絆」の本質に似たものを感じ、ぜひ題材にしたいと思い赤川さんにコンタクトをとりました。ポスト前での葛藤や空を見て亡き人のことを考える動作など、ポストに来た方の心情を表現できるよう事実を取り入れ制作していきました。

幸運なことに3年間かけて日本国内だけでなく世界の映画祭にも多数選んでいただき、たくさんの人々にも見てもらうことができ、微力ではありますが貢献できたかのかなとは思っています。

海外では映像美と音で表現した「二面性」や「普遍的な人間ドラマ」を評価していただき言葉が通じない人々にも受け入れていただけたのが嬉しかったです。今年で震災から13年が経ちます。

能登半島地震もあり、震災で再認識した、生きていることのありがたさ・命や日常の儚さ・絆と助け合う心・悲しみから立ち上がる勇気。

当たり前すぎて忘れがちな人として一番大切な「心」の部分をもう一度感じてもらう事が大事だと思っています。

今作がその力になれれば幸いです。 

コメント

– 漂流ポスト / 管理人:赤川勇治 – 

漂流ポストを作ったのは、被災後、私が営むカフェを訪れた方達に「亡くなった身内や友だちへの想いを話せる人がいない」と相談された事がきっかけでした。私が横浜出身の移住者だった事もあり、周囲や過去を気にせず素直に話せるという方が度々訪ねてくるようになり、話し終わった後はみんな「気持ちが楽になった」と言ってくれた。

胸に秘めている大切な人への想いを吐き出すことが、前を向く力になるんだと実感しました。でも、ここにすぐ来れる方ばかりではない、東日本大震災で被災された方は遠くにもたくさんいる。

カフェにすぐには来られない人の想いも同様に受け止められないか。「会いたいけれど会えない人への気持ちや伝えられなかった言葉を手紙に書くことで、気持ちが楽になって一歩前へ進む事ができるかもしれない。心の復興につながる」そう考え始めました。

震災から年月が過ぎて風化が進む中で、まだ苦しんでいる方もいる。自分としても他に何かできないかと考えていた時に清水監督から映画に関する話をいただきました。

ご本人が復興ボランティアをしていたことや、被災者心理に寄り添った作品で風化を止めたいと考えていること、さらに若い人達にも震災の記憶を伝えたいという想いがあることなど、熱意を感じ、作品に協力することにしました。

監督が案として書いてきた物語に似ている出来事がちょうどあったということもあります。完成した作品を拝見して、漂流ポストで起きたリアルを繊細に描いていたので安心しました。

文字にすることで伝えられなかった言葉が届けられる、ありのままに解き放つことで心が楽になれる。苦しんでいる人やあまり手紙を書かなくなった世代の方達にもポストの立っている意味やメッセージが伝わると思っています。

今年で震災から10年、心や人との絆と向き合ってもらう機会にこの作品がなってもらえると嬉しいです。コロナ禍で人との付き合い方や日常が見直されている今にも通じるものがあると思います。

そして、もし何か伝えたい事がある場合は手紙に書いてみてください。その想いは必ず届きます。

プレスリリース

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