東日本大震災で親友の恭子を亡くした園美は、心のどこかで死を受け入れられず日々を過ごしていた。ある日、学生時代に恭子と埋めたタイムカプセルが見つかる。中には『将来のお互い』に宛てた手紙が入っていた…。蘇る美しい思い出と罪悪感。過去と向き合う最中、震災で亡くなった大切な人へ届けたい言葉・伝えることができなかった想いを綴った手紙が届く「 漂流ポスト 」の存在を知った園美は恭子宛の手紙を届けようと考える。

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漂流ポストとは

漂流ポストとは「 手紙を書くことで心に閉じ込められた悲しみが少しでも和らぎ、新たな一歩を踏み出す助けになるなら 」という想いから、被災地である岩手県陸前高田市の山奥に建てられた郵便ポスト。

当初は東日本大震災で亡くなった人への想いを受け止める為のポストだったが、今では病気や事故など、震災に限らず亡くなってしまった最愛の人に向けた想いを綴った手紙を届ける場所になっており、手紙は同じ境遇の人々にシェアされ心の復興を助けている。

震災から10年過ぎても多くの手紙が届き、その数は約1000通を数える。

本作は、ポストの管理人である赤川氏のインタビューを軸に1000通の手紙が映し出す被災地の心の復興を追いかけた短編ドキュメンタリーです。

清水健斗(監督コメント)

私が東日本大震災の風化防止を映像の力でなんとかしたいと考えるようになり、どうするべきか悩んでいた時に出会ったのが漂流ポストで、私にとって東日本大震災を描き伝えることの原点でもあります。毎年ポストに通い、手紙の内容を通し、前向きに変化している面といまだに一歩も踏み出すことができない面、両極端になってきている部分が震災10年で表面化してきいると感じています。

でも、それはどちらも間違えではないと思っています。大切なのは10年で区切りをつけるのではなく、伝え続け考えてもらうきっかけを提供し、それぞれの答えを導き出すお手伝いをする、それこそが心の復興だと考えています。本作を通して震災で再認識した、生きていることのありがたさ・命や日常の儚さ・絆と助け合う心・悲しみから立ち上がる勇気。当たり前すぎて忘れがちな人として一番大切な「 心 」の部分をもう一度感じてもらい、考えてもらう手助けになれば幸いです。

ドキュメンタリー撮影風景

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